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システム開発を外注するには?外注で失敗しないための確認チェックリスト
システム開発を外注する際、「どのような流れで進めるべきか」「必要な要件定義とは何か」「コストの相場はどれくらいか」など、多くの疑問が生じるでしょう。本記事では、システム開発の外注を成功させるために押さえておくべきチェックポイントを詳しく解説します。
また、記事の最後には「システム開発 外注チェックリスト」のダウンロードリンクを用意しています。ぜひ活用してください。
1.システム開発を外注するメリットとデメリット
メリット
・社内に開発リソースがなくてもシステム構築が可能
自社にエンジニアがいなくても、システム開発を進めることができる。
・専門知識を持つエンジニアに依頼できる
経験豊富なエンジニアに依頼することで、高品質なシステムを開発可能。
・開発スピードを短縮できる
自社開発よりもスピーディーにシステムを完成させることができる。
・最新技術を活用できる
外注先が持つ最新の技術や開発ノウハウを活用できる。
デメリット
・コストが高くなりがち
社内開発よりも費用がかかるケースが多い。
・外注先の品質や対応力に依存する
開発会社のスキルや対応力によって、成果物の品質が左右される。
・要件定義や契約内容によってはトラブルのリスクあり
要件が曖昧だと、期待した成果物が得られない可能性がある。
・社内にノウハウが蓄積されない
開発を外注することで、社内の技術力向上にはつながりにくい。
2.システム開発を外注する際の流れ
システム開発を外注する際は、以下の流れで進めるのが一般的です。
1.要件定義の作成(システム要件定義の進め方を理解する)
〇システムの目的や機能を具体化する。
〇ユーザーのニーズを把握し、開発要件を整理する。
2.見積もり依頼(システム開発の見積もり根拠を確認)
〇必要な機能をリストアップし、見積もりを依頼する。
〇複数の開発会社に依頼し、比較検討する。
3.開発会社の選定(信頼できるシステム開発会社を探す)
〇実績や技術力を確認し、最適な開発会社を選ぶ。
4.契約の締結(契約書の内容を確認)
〇費用、納期、著作権などの契約条件を明確にする。
5.開発開始と進捗管理(システム開発工程のスケジュール管理)
〇進捗管理の仕組みを作り、定期的にチェックを行う。
6.テストと品質管理(開発ドキュメントのチェック)
〇ユーザー目線でシステムの動作確認を行う。
7.納品と運用開始(システムの保守運用も考慮する)
〇導入後の運用体制を整え、継続的に改善を図る。
3.外注前に確認すべきチェックリスト
以下のチェックリストを活用し、スムーズなシステム開発を進めましょう。
✅目的と要件が明確になっているか
システム開発の外注を始める前に、なぜこのシステムが必要なのか、どのような課題を解決したいのか、最終的に何を実現したいのかといった「目的」を明確にすることが不可欠です。目的が曖昧なままでは、必要な機能や性能といった「要件」も定まりません。要件が不明確なまま開発を進めると、後から大幅な手戻りが発生したり、期待していたものと全く違うシステムができあがったりするリスクが高まります。システム開発の外注を成功させるためには、社内でしっかりと議論し、関係者間で目的と要件の認識を一致させてから、外注先との話し合いに臨むことが重要です。
✅システム開発の相場を把握しているか
システム開発の外注にかかる費用は、開発するシステムの規模や機能、技術によって大きく変動します。自社が求めるシステム開発の相場感を事前に把握しておくことは、予算計画を立てる上でも、提示された見積もりの妥当性を判断する上でも非常に重要です。相場を知らないと、不当に高い金額で契約してしまったり、逆に安すぎる業者を選んでしまい品質に問題が生じたりする可能性があります。複数の外注先から見積もりを取ったり、業界の平均的な費用を調べたりして、システム開発の外注費用に関する知識をつけておきましょう。
✅見積書の内容とその根拠を確認しているか
外注先から提示された見積書は、必ずその内容を詳細に確認してください。単に合計金額を見るだけでなく、どのような作業にどれくらいの費用がかかるのか、人件費の根拠は何か、開発期間と費用は見合っているかなどを確認することが重要です。不明瞭な点があれば、遠慮せずに外注先に質問し、納得がいくまで説明を求めましょう。認識のズレは、後々の追加費用やトラブルの原因となります。システム開発の外注費用は大きな投資ですので、見積もりの透明性をしっかりと確認することが不可欠です。
✅契約形態(準委任契約・請負契約)を理解しているか
システム開発の外注契約には主に「請負契約」と「準委任契約」があります。請負契約は、成果物の完成に対して報酬が支払われる契約です。一方、準委任契約は、業務遂行そのものに対して報酬が支払われる契約で、成果完成義務はありません。どちらの契約形態が適しているかは、開発内容やプロジェクトの性質によって異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社のプロジェクトに合った契約形態を選択することが重要です。システム開発の外注契約を結ぶ前に、契約形態の違いをしっかり把握しておきましょう。
✅どのような基準で品質を管理し確認するか決めているか
開発されるシステムの品質は、事業の成功に直結します。システム開発の外注においては、外注先に任せきりにするのではなく、どのような基準で品質を管理し、確認していくのかを事前に定めておく必要があります。例えば、単体テスト、結合テスト、受け入れテストなどをどのように実施するのか、バグの基準や修正プロセスはどうするのかなどを、外注先と合意しておくことが重要です。品質管理計画を明確にすることで、納品されるシステムの品質を一定以上に保ち、システム開発の外注におけるリスクを低減できます。
✅著作権や知的財産権の取り決めをしているか
システム開発によって生み出されたプログラムやデザインなどの著作権、あるいは特許権などの知的財産権が誰に帰属するのかを、契約書で明確に取り決めておくことは非常に重要です。一般的には、請負契約の場合は原則として著作権は受注者(外注先)に帰属しますが、契約によって発注者(自社)に譲渡または利用許諾されることがほとんどです。準委任契約の場合は個別の取り決めによります。システム開発の外注において、後々の権利関係でトラブルにならないよう、契約前に必ず確認し、文書で合意することが必要です。
✅納期とスケジュールが把握できているか
システム開発の外注プロジェクトを成功させるためには、現実的な納期を設定し、外注先と詳細なスケジュール調整を行うことが不可欠です。無理な納期は品質低下やプロジェクト破綻のリスクを高めます。マイルストーン(中間目標地点)を設定し、それぞれの工程にかかる期間を明確にしましょう。自社内での確認作業や意思決定にかかる時間も考慮に入れる必要があります。外注先と協力して、実現可能で無理のないスケジュールを作成し、定期的に進捗を確認していくことが、システム開発の外注をスムーズに進める上で大切です。
✅追加開発や機能拡張の可能性を考慮しているか
新規事業は成長に伴って、システムに求められる機能や性能も変化していく可能性があります。システム開発の外注を行う際には、将来的な追加開発や機能拡張の可能性を考慮して、拡張性の高いシステム設計を外注先に依頼することが望ましいです。また、追加開発が発生した場合の費用体系や、その際の対応可否についても事前に話し合っておくと良いでしょう。長期的な視点でシステム開発の外注を考えることで、事業の変化に柔軟に対応できるシステムを構築できます。
✅契約終了後のデータやシステムの引き継ぎ計画を立てている
万が一、外注先との契約が終了したり、別の開発会社に切り替えたりする必要が生じた場合に備え、開発データやソースコード、関連ドキュメントなどの引き継ぎ計画を事前に立てておくことが重要です。引き継ぎの形式や方法、必要なドキュメントの整備などを契約時に取り決めておきましょう。スムーズな引き継ぎができないと、将来的にシステムの改修やメンテナンスに支障をきたす可能性があります。システム開発の外注において、契約終了後のリスクも想定しておくことが、自社の資産を守ることにつながります。
4.信頼できる開発会社の選び方
信頼できる開発会社を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。
・過去の実績やポートフォリオ
開発会社の公式サイトや事例を確認する。
・得意分野や対応可能なシステムの種類
自社の要件に適した技術を持っているか確認する。
・見積もりの明確さ
費用の内訳がわかりやすいか確認する。
・契約形態とトラブル時の対応
契約内容やトラブル発生時の対応について事前に確認する。
・コミュニケーションの取りやすさ
連絡がスムーズか、意思疎通がしやすいかを見極める。
・開発後のサポート体制
保守・運用サポートが充実しているか確認する。
5.契約時に注意すべきポイント
システム開発の契約では、以下の点に注意しましょう。
・契約書の内容を詳細に確認する(システム開発契約書の確認)
契約内容が明確で、トラブルが起こりにくいかチェックする。
・費用の支払いタイミングと条件を決める
開発の進捗に応じた適切な支払いスケジュールを設定する。
・著作権や知的財産権の取り決めを明確にする
システムの所有権を自社に帰属させるかどうかを決める。
・スケジュールや納品条件を明記する
遅延リスクを考慮し、適切な納期を設定する。
・秘密保持契約(NDA)の締結
自社の機密情報が守られるように対策する。
6.外注後の品質管理とトラブル対策
外注したシステム開発が適切に進行するよう、以下の点を管理しましょう。
・定期的な進捗確認と報告の実施
週次・月次でミーティングを行い、状況を把握する。
・テスト環境を整え、品質チェックを行う
機能テスト・負荷テストを実施し、不具合を防ぐ。
・ドキュメントの整備と引き継ぎを徹底する
開発の経緯や仕様を文書化し、管理しやすくする。
・トラブル発生時の対応フローを決めておく
バグ対応の優先順位や責任範囲を明確にする。
・運用後の改善計画を立てる
システムの継続的な改善を考慮し、PDCAを回す。
7.まとめ
システム開発を外注する際は、事前準備と契約内容の確認が重要です。本記事で紹介したチェックリストを活用し、トラブルなく開発を進めましょう。
また、より詳細なチェックリストは以下よりダウンロードできます。ぜひご活用ください。
[チェックリストをダウンロードする]